向いている人・向いていない人を現役キャリアアドバイザーが解説
「営業に疲れたから、事務職へ転職したい。」
このような相談は、実際のキャリア相談でも非常に多く寄せられます。数字やノルマに追われる毎日から離れたいと考えるのは、決して珍しいことではありません。
一方で、「事務なら楽そう」というイメージだけで転職を決めてしまい、「思っていた仕事と違った」と後悔するケースもあります。
営業職と事務職は働き方が大きく異なるため、自分に合うかどうかを事前に整理することが大切です。
この記事では、営業から事務へ転職して後悔する人・満足する人の違いや、営業経験を活かせる事務職について、現役キャリアアドバイザーの視点から解説します。

営業から事務への転職で後悔する人はいる?
結論からいうと、後悔する人もいれば、満足している人もいます。
その違いは、「事務職の仕事内容を理解したうえで転職したか」にあります。
要点
- 営業から事務へ転職して満足する人は多い
- 一方で仕事内容とのミスマッチも少なくない
- 「営業が嫌だから」という理由だけでは後悔しやすい
- 転職前に仕事内容を理解することが重要
営業職では、自ら動いて成果を出すことが評価につながります。
一方、事務職は正確性やサポート力が重視される仕事です。
同じ会社員でも、求められる能力は大きく異なります。
実際のキャリア相談でも、「営業が嫌だから事務に行きたい」という相談は少なくありません。
しかし話を深掘りすると、事務職そのものではなく、「今の会社の働き方」が原因だったケースも多くあります。
そのため、まずは営業そのものが合わないのか、それとも現在の環境に課題があるのかを整理することが大切です。
営業から事務へ転職したい人が増えている理由
結論として、営業職特有の精神的な負担が背景にあります。
「営業を辞めたい」と考える理由は人それぞれですが、共通する要因も少なくありません。
主な理由は以下のとおりです。
- ノルマへのプレッシャー
- 売上目標への責任
- 顧客対応によるストレス
- クレーム対応
- 残業や休日対応
- 人間関係
営業職では、毎月数字で評価されます。
成果が見えやすい反面、数字が伸びないと精神的な負担を感じやすい仕事です。
また、お客様との商談やクレーム対応が続くことで、「人と話すこと自体がつらい」と感じる方もいます。
実際のキャリア相談でも、「営業が嫌なのではなく、数字に追われる生活から離れたい」という相談は非常に多く見られます。
営業職がきついと感じる背景については、「営業職がきついと感じる理由は?」でも詳しく整理しています。営業そのものが原因なのか、それとも現在の職場環境なのかを切り分けたい方は、あわせて確認してみてください。
営業から事務へ転職して後悔しやすいケース
結論として、仕事内容の違いを理解せずに転職すると後悔しやすくなります。
特に多いケースを整理すると、次のようになります。
| 営業職 | 事務職 |
|---|---|
| 成果で評価される | 正確性で評価される |
| 変化が多い | ルーティンが多い |
| 外出がある | 社内業務中心 |
| 収入アップしやすい | 給与は安定しやすい |
後悔しやすいケース① 年収が下がる
事務職は営業職よりもインセンティブが少ない企業が多く、年収が下がるケースがあります。
収入を重視する方は、事前に給与水準を確認することが大切です。
後悔しやすいケース② 単調な仕事が合わない
営業では毎日違う商談があります。
一方、事務職は同じ業務を正確に繰り返す仕事も少なくありません。
刺激を求める方は物足りなさを感じる可能性があります。
後悔しやすいケース③ キャリアアップの違い
営業職は成果によって昇進しやすい企業もあります。
一方、事務職では昇給ペースが比較的緩やかな会社もあります。
実際のキャリア相談でも、「思っていたより年収が下がった」「仕事が単調だった」という相談は一定数あります。
一方で、「毎日数字に追われなくなり精神的に楽になった」という声もあります。
大切なのは、自分が仕事に何を求めるのかを整理することです。
営業経験が活かせる事務職とは
結論として、すべての事務職で営業経験が同じように評価されるわけではありません。
顧客対応や社内調整が多い仕事ほど、営業経験は活かしやすい傾向があります。
| 職種 | 営業経験との相性 |
|---|---|
| 営業事務 | ★★★★★ |
| カスタマーサポート | ★★★★★ |
| 営業企画 | ★★★★☆ |
| 人事 | ★★★★☆ |
| 総務 | ★★★☆☆ |
特に営業事務は、営業担当者を支える役割が中心です。
商談の流れや見積書、受発注業務への理解があるため、営業経験者が評価されやすい職種といえます。
また、カスタマーサポートや人事でも、相手の話を聞き、状況に応じて対応する力は高く評価されます。
一方で、データ入力中心の一般事務では、営業経験が直接評価につながりにくいケースもあります。
採用担当者は「営業をしていたこと」ではなく、「営業経験をどう活かせるか」を見ています。
その点を面接で具体的に説明できるかが、転職成功のポイントになります。
営業から事務に向いている人・向いていない人
営業から事務への転職が向いているかは、「営業が嫌か」だけでは判断できません。人と関わる量、仕事の進め方、評価されたいポイントなど、自分の価値観と事務職の特徴が合っているかを見ることが重要です。
特に、営業で培った「調整力」「対人対応力」「スケジュール管理力」は、事務職でも活かせる可能性があります。
営業から事務に向いている人

以下に当てはまる項目が多いほど、事務職との相性を検討しやすいでしょう。
- コツコツ仕事を進めることが苦にならない
- 細かいミスを減らすことを意識できる
- 人をサポートすることにやりがいを感じる
- スケジュール管理が得意
- PCを使った作業に抵抗がない
- 営業ほど成果を数字で競うことを求めていない
- 相手の依頼を正確に理解できる
- 同じ業務を繰り返すことに強いストレスを感じない
- 社内の人と連携しながら仕事を進めたい
- ワークライフバランスを重視したい
一方で、次のような人は事務職への転職を慎重に考えた方がよいかもしれません。
営業から事務に向いていない可能性がある人
- 変化の多い仕事が好き
- 成果に応じて大きく稼ぎたい
- 自分で仕事を作ることにやりがいを感じる
- ルーティンワークが苦手
- デスクワークを長時間続けるのが苦痛
- 人と話すこと自体が好き
- 昇進やキャリアアップをスピード感を持って目指したい
ここで重要なのは、「営業が向いていない=事務が向いている」ではないということです。
例えば、営業のノルマが嫌でも、人と話すことは好きという方もいます。
その場合は一般事務より、営業事務やカスタマーサクセス、カスタマーサポートなどの方が適性を活かせる可能性があります。
30秒セルフチェック
迷っている方は、以下の質問に「はい」「いいえ」で答えてみてください。
| 質問 | はい・いいえ |
|---|---|
| 数字目標から離れたい | □ |
| 人をサポートする仕事が好き | □ |
| コツコツ作業が苦にならない | □ |
| PC作業に抵抗がない | □ |
| 正確性を意識して仕事ができる | □ |
| 同じ業務を繰り返しても苦にならない | □ |
| 年収より働き方を重視したい | □ |
| 社内の人と協力する仕事がしたい | □ |
| 営業ほど外回りをしたくない | □ |
| 営業経験を活かしながら働き方を変えたい | □ |
7個以上「はい」なら、事務職との相性を一度検討してみてもよいでしょう。
ただし、これはあくまで簡易的な目安です。
特に「営業が嫌だから事務」という理由しかない場合は、もう一段深掘りすることをおすすめします。
営業から事務へ転職するときの判断ポイント
営業から事務へ転職するか迷ったら、「営業から逃げたいか」ではなく、「事務職で何を実現したいのか」を考えることが重要です。
判断するときは、以下の7項目を確認してみてください。
営業から事務へ転職するときの判断ポイント
- 営業の何がつらいのか言語化できている
- 事務職の仕事内容を具体的に理解している
- 年収が変わる可能性を確認している
- 事務職で活かせる営業経験を整理している
- 5年後のキャリアも考えている
- 「事務なら楽」というイメージだけで判断していない
- 転職以外の選択肢も比較している
この7項目を整理すると、「営業から事務へ転職するべきか」がかなり見えやすくなります。
例えば、「ノルマがつらい」「残業を減らしたい」という理由なら、事務職への転職が選択肢になるでしょう。
一方で、「今の上司と合わない」「会社の商品に魅力を感じない」という理由なら、営業職のまま転職する方が解決につながる場合もあります。
実際のキャリア相談でも、営業職を辞めたいと話していた方が、仕事内容ではなく「会社の評価制度」や「上司との関係」が原因だったというケースは珍しくありません。
営業職から異業種への転職全体について検討したい方は、「営業職から異業種へ転職は可能?」も参考になります。事務職以外の選択肢まで比較すると、自分に合った方向性が見つかりやすくなります。
後悔しないために転職前に確認したいこと
営業から事務へ転職する前に、求人票だけでは分からない部分まで確認しておきましょう。
特に重要なのは、「事務職だから楽になる」と決めつけないことです。

転職前のチェックリスト
仕事内容
□ データ入力だけなのか
□ 電話対応はどの程度あるか
□ 来客対応はあるか
□ 営業担当との連携は多いか
□ 納期や締切があるか
□ 月末月初に忙しくなるか
給与・待遇
□ 現在の年収と比較したか
□ 基本給はいくらか
□ 賞与はいくらか
□ 残業代は別途支給されるか
□ 昇給制度があるか
働き方
□ 残業時間を確認したか
□ リモートワークの有無
□ 土日祝休みか
□ 有給休暇を取得しやすいか
□ 転勤の可能性があるか
キャリア
□ 3年後にどんな仕事をしているか
□ 事務職として専門性を高められるか
□ 他職種へのキャリアチェンジが可能か
□ 資格取得やスキルアップの支援があるか
このチェックを行うだけでも、転職後の「こんなはずじゃなかった」を減らせます。
営業から事務への転職でよくある3つのケース
ここでは、実際のキャリア相談でよく見られるパターンを一般化して紹介します。
ケース①「営業がつらいから事務に行きたい」
営業職で数字に追われることに疲れ、事務職を希望するケースです。
この場合、まず「数字が嫌なのか」「顧客対応が嫌なのか」を分けることが重要です。
数字だけが問題なら、営業事務や営業企画などでも働き方を改善できる可能性があります。
ケース②「営業経験を無駄にしたくない」
20代の営業経験者から多い相談です。
この場合は、完全に未経験の一般事務だけを見るのではなく、営業経験と関連性のある職種から検討する方法があります。
例えば営業事務なら、営業担当者との連携や顧客対応など、これまでの経験をアピールできます。
ケース③「年収を下げたくない」
営業職から事務職への転職では、年収が下がる可能性を気にする方も少なくありません。
この場合は「事務職」という括りだけで求人を探さないことがポイントです。
営業事務、営業企画、カスタマーサポートなど、営業経験を活かせる職種まで広げることで、条件面を比較しやすくなります。
営業から事務へ転職する前に考えたい判断フローチャート
最後に、判断の流れを簡単に整理します。
STEP1
営業を辞めたい理由は何か?
↓
数字・ノルマがつらい
→ 事務職を検討
↓
人間関係がつらい
→ 営業職のまま転職する選択肢も比較
↓
顧客対応がつらい
→ 事務・管理系職種を検討
↓
外回りが嫌
→ 営業事務・内勤営業なども比較
↓
収入を上げたい
→ 事務職だけでなく営業職の転職も比較
このように考えると、「営業を辞める=事務」という一択ではないことが分かります。
営業辞めたいほど疲れている場合でも、退職を急ぐ必要はありません。
「何が嫌なのか」を整理してから求人を比較することで、より納得できる選択につながります。
この記事の要点
- 営業から事務へ転職して後悔する人も満足する人もいる
- 後悔を防ぐには「事務なら楽」というイメージだけで決めないことが重要
- 営業事務などは営業経験を活かしやすい
- 営業経験の「顧客対応力」「調整力」「管理力」は事務でも評価される
- 一方で、一般事務では営業経験が直接評価されないケースもある
- 年収が下がる可能性があるため、転職前に条件確認が必要
- 営業を辞めたい理由によっては、営業職のまま転職した方がよい場合もある
- 転職前に仕事内容・給与・働き方・キャリアを確認することが重要
事務職以外に人事職も選択肢として気になる方は「営業から人事へ転職は可能?未経験でも歓迎される仕事と後悔しないポイント」もあわせてご覧ください。未経験から挑戦しやすい採用・労務の仕事内容を解説しています。 バックオフィス全体を横断して比較したい方は「営業からバックオフィス職への転職は可能?事務・経理・総務・人事の違いを徹底比較」も参考になります。経理職への転職を具体的に検討したい方は「営業から経理へ転職は可能?未経験でも歓迎される仕事内容と後悔しないためのポイント」、総務職への転職を検討している方は「営業から総務へ転職は可能?未経験でも歓迎される仕事内容と後悔しないためのポイント」もあわせてご覧ください。 また、30代・40代になってからの異業種転職を考えている方は「営業職からの転職は何歳まで可能?30代・40代の異業種チェンジで後悔しないためのポイント」もあわせてご覧ください。
事務職の中でも、資格を活かして専門性を高めたい方には医療事務という選択肢もあります。詳しくは「営業から医療事務へ転職は可能?未経験でも歓迎される仕事内容と後悔しないためのポイント」もあわせてご覧ください。
まとめ
営業から事務への転職は、営業職に疲れた人にとって一つの選択肢になります。
ただし、「営業より楽そう」というイメージだけで転職すると、仕事内容や給与、キャリアとのミスマッチが起こる可能性があります。
特に重要なのは、営業職の何がつらくて、事務職で何を実現したいのかを整理することです。
営業経験そのものが無駄になるわけではありません。
顧客とのコミュニケーション、社内調整、スケジュール管理、相手のニーズを把握する力など、営業で身につけた能力は、事務職でも活かせる可能性があります。
一方で、営業職そのものではなく、現在の会社や上司、評価制度が問題である場合もあります。
だからこそ、「営業を辞めるか」だけで考えるのではなく、営業を続ける選択肢も含めて比較してみてください。
焦って転職先を決めるのではなく、自分がなぜ営業を辞めたいのか、事務職で何を実現したいのかを整理することが、後悔しない転職につながります。
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